シンクロトロン放射光を用いた 三次元微細構造体形成に関する研究

洞出 光洋 

MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の高度化に向けて、自由曲面や側壁傾斜を有する三次元微細構造体作製の要求が高まっている。この要求の実現を目指し、本論文は、シンクロトロン放射 (SR : Synchrotron Radiation) 光を用いた三次元微細構造体の作製技術に関して研究を行い、その内容を報告したものである。本研究では、SR光を用いたX線リソグラフィにより、自由曲面を有する三次元構造体の作製を行った。そして、形状誤差となる要因について詳細に調査し、改善方法を検討した。また、従来技術の問題点等を考慮し、新規三次元加工法の提案をした。新規加工法の実現に向けた基礎実験を中心に行い、最終的に任意の三次元構造体の作製を行うことを可能にした。また、優れた材料特性を有する、フッ素樹脂の1つであるPTFE(Polytetrafluoroethylene)に着目し、SR光のアブレーション加工を用いて、PTFEの三次元微細構造体の作製をあわせて行った。
本論文は6つの章で構成されている。
第1章では、本研究の背景及び目的と概要について述べ、本研究の位置付けを行う。
第2章では、SR光によるX線リソグラフィを用いて高精度な微細加工を行うことを目的とし、X線リソグラフィ技術の加工工程、及び加工原理に関して、詳細な検討を行う。
第3章では、三次元構造体作製方法の一つである、平面パターン断面転写法を用いてX線リソグラフィを行い、側壁傾斜や自由曲面の作製を行う。また、高精度な三次元構造体の作製技術の確立を目指し、形状誤差の要因調査や、その改善策について述べる。 第4章では、任意の三次元構造体の作製を可能にすることを目指し、SR光を用いた整形ビームによるマスクレス露光法を提案した。また、目標形状作製を実現するための、アプローチ方法について述べる。
第5章では、SR光によるアブレーション加工を用いて、PTFEの三次元微細構造体の作製を行う。また、PTFEの加工特性を調査し、形状誤差の要因や形状予測を行うためのシミュレーションについてあわせて述べる。
第6章では、本研究で得られた知見を総括し、本論文を締めくくる。