植物生長と土壌環境改良を目指した未利用バイオマス資源の高付加価値化

Sirilak Sanpa

環境問題に対する意識の高まりから、日本においては国策(バイオマスニッポン)としてバイオマス資源を利用したエネルギー開発や有用物質生産など、研究開発が積極的に行われるようになってきた。本研究では未利用バイオマスを資源循環の観点から有効利用することを目指した。

第一に窒素の資源循環を考え、化学肥料の低減による環境浄化を目指しタンパク質系バイオマスを用いることを考えた。ブルーギルは日本各地で大量発生し、湖沼の生態系を破壊することから、琵琶湖を中心として駆除が行われている。このバイオマスを未利用タンパク質資源と位置づけ有効利用を目指した。ブルーギル分解菌Brevibavcillus sp.BGM1株を分離・同定し、ブルーギル分解物(DGP)を作製してコマツナに投与したところ、生長促進効果が確認された。この生長促進効果のメカニズムを解析したところ、DGP中のペプチドが根毛形成・不定根形成を著しく促進することが明らかとなった。これら植物生長促進効果は、Perciformes 目以外の魚目では認められず、ブルーギル由来の特異的なアミノ酸配列のペプチドであることが示唆された。このことから、未利用バイオマス資源であるブルーギルと微生物機能を用いることにより、化学肥料低減による農地の改善が行われ、資源循環系で未利用バイオマス資源であるブルーギルが応用可能であることを示した。

第二に、資源循環系を促進するため、農地の無機化活性を向上させるためのバイオマス利用を試みた。土壌の無機化活性を向上させるためには土壌微生物の活性化が必須であるため、木質系バイオマスである木炭の利用を考えた。特に建築廃材からの木炭は有効利用されていないため、本木炭の有効利用を試みた。木炭を5-20%添加することにより土壌バクテリア量が倍増し、長期間高いレベルのバクテリア数を安定に保持することが出来た。木炭内部には微細な孔が多数存在するため、これらの孔の中にバクテリアが安定に生育しているためであると考えられた。また、木炭は土壌の通気、保水性を向上させることから植物生長も促進した。このことから、未利用バイオマスである木炭を利用することにより、資源循環を促進するため無機化活性を向上させることが可能であることを示した。

本研究では、未利用バイオマス資源を用いることにより、化学肥料を低減し、また土壌の無機化を促進する等、資源循環系を改善・活性化することが可能であることを示した。