回転によるぼやけ画像に対するブラインド画像復元アルゴリズム

WIKKY FAWWAZ AL MAKI(ういき ふぁわず ある まき )

本論文は画像復元問題を考察したものである。回転による動き,またその特別な場合である直線的な動きにより,ぼやけた(劣化した)画像から,シャープな画像に復元する一連の画像処理アルゴリズムが導出されている。直線的な点広がり関数、あるいは回転による点広がり関数が未知の場合,画像復元のためには,まず動きによるぼやけ関数の推定を行う必要がある。このようなぼやけ関数が未知である画像の復元問題は、ブラインド画像復元問題と呼ばれ,画像処理の研究分野では重要な問題の一つである。
 速度が一定の直線的な動きによりぼやけた画像に対しては、ケプストラム解析により,直線的な流れおよび回転による流れの長さを推定する方法が示されている。直線的な動きに対するぼやけ関数は,動きによる流れの長さと流れの方向により特徴付けられるので、流れの方向は修正ラドン変換を適用することにより推定している。回転による流れ画像では,画像復元の前に回転の中心を求めることが必要である。加速度をもつ動きによる画像劣化では,点広がり関数(コンボリューション関数)は移動不変ではないので,動きによる流れの長さを既知として,オンライン推定アルゴリズムによりコンボリューション関数の係数が推定される。実画像データを用いた多くの計算機実験により,ここで提案している一連の画像復元処理アルゴリズムの有効性を検証してその妥当性を示している。
 本論文の構成では,まず最初に各種の動きのよるぼやけ画像の画像モデルを示している。各種の動きについてのぼやけを解析することにより,ぼやけの画像モデルに基づき流れの推定問題が解決されている。次にシャープな原画像を求めるために,画像復元手法が適用されている。直線的な動きによるぼやけ画像に対しては,無雑音カルマンフィルタが導出され復元手法が提案されている。回転によるぼやけ画像に対しては,その空間不変ではない特性が、円状生成アルゴリズム(a circle generating algorithm)を適用することにより,2次元の空間変化的画像復元問題が回転の動きに沿っての1次元空間不変復元問題に帰着できることが示されている。そこで回転による流れ画像は,ラグランジュ未定乗数法を用いることにより各円状に復元でき、シャープな画像に復元される。残りの復元されていないが画素に対してはメディアンフィルタを用いることにより復元される。