空気圧浮上式ガントリータイプ精密テーブルの精密速度制御に関する研究

苅 北  一 朗

近年フラットパネルディスプレイの製造分野の塗布工程においてはガラスサイズの大型化に伴い、従来のスピンコータ型にかわってガントリータイプのコータが一般的となりつつある。液晶パネルの樹脂塗布においては膜厚の均一さが要求され、塗布速度の速度偏差が小さいことが求められている。このためにガントリータイプの精密テーブルにおいて、ガントリーはエアーベアリングを用いた空気圧浮上式となっている。従ってガントリーの揺れを抑えて速度偏差やガントリーの左右脚の偏差を少なくすることが樹脂を均一に塗布する際には重要となる。本研究においてまず実機において定速期の速度偏差と左右脚偏差を小さくするためにクロスカップリング制御とゲイン切替を用いた制御則を提案し定速期において、速度偏差、左右脚偏差とも充分に要求仕様を達成することができた。つぎに実機に近い動特性を持ったミニチュアガントリー・テーブルにおいて加速度補償を用いた左右脚独立制御方式で定速期の速度偏差と左右脚の偏差が小さくなることが実証された。さらに、加速・整定期の速度偏差と左右脚の偏差に注目しこれらがガントリーの揺れの原因であることから、クロスカップリング制御にゲイン切替と加速度補償を加えた制御則を提案し、加速期のガントリーの揺れを抑え塗布速度へ滑らかな整定を行なうことができ、かつ除外距離の短縮ができて、液晶パネル塗布開始からの有効面積の増大に貢献することができた。