燃焼生成物を簡便に予測するための 化学平衡法と渦消散コンセプトモデルを 組み合わせた乱流拡散燃焼モデル

福本 一生

本報では,詳細化学反応式を簡略化するために化学平衡法と渦消散コンセプトモデルを組み合わせた燃焼モデル(CE-EDC)を提案する.本方法では,いくつかの指定した化学種の反応速度を渦消散(ED)モデル,もしくは渦消散コンセプト(EDC)モデルで計算することでそれらの量を求める.さらに,残りの化学種の量については化学平衡を仮定し,ギブス自由エネルギー極小化法により計算を行う.本方法の利点として,どのような化学種においても詳細化学反応式を全て必要せずに,熱力学関数がわかっていれば,それらの量を決定できるところにある.次に,高城らのH2-air乱流拡散火炎,CorreaらのCO-H2-airの乱流拡散火炎について本方法によりシミュレーションを行なった.さらに,本方法による予測値と,実験値,EDCモデルによる予測値との比較・検討を行った.本方法では,反応速度の評価にEDモデルを使うと,主要な化学種の反応速度の評価しかできない.このため,主要な化学種については実験値及びEDCモデルによる計算値と一致したものの,ラジカル類については火炎の中心部分においての定性的な一致にとどまった.一方で,反応速度の評価にEDCモデルを使うと,主要な化学種に加え,ラジカル類についても反応速度の評価をすることができるようになる.これにより,主要な化学種については実験値及びEDCモデルによる計算値と一致した.さらに,ラジカル類については,EDCモデルによる計算値と良く一致するようになった.本方法では詳細化学反応式を必要とせず平衡法を利用することで全ての化学種の生成量を予測できる.また,任意の化学種について化学反応式を使って反応速度を考慮することで,それらの化学種について予測精度を高めることができる.これにより本研究で提案した燃焼モデルでは乱流拡散火炎において簡便に燃焼生成物を予測することができる.